インプラントimplant
インプラントとは?
インプラントとは、歯がなくなった場合に、顎の骨に埋め込む純チタン製の人工歯根のことです。
50年以上にわたって、研究・開発され治療のエビデンス(科学的根拠)のある技術です。
![インプラントとは?](img/implant_32.jpg)
天然歯
天然歯は表面から、硬いエナメル質、象牙質、歯髄(神経)の順で構成されています。
個人によって歯の色と形は異なります。
天然歯の歯根膜(靭帯)は、あごの骨に歯根をしっかり固定する役割があります。
インプラント
セラミックの被せ物は、天然歯の色と形に合わせることが可能です。
アバットメント(支台)は、人工歯とインプラント体(人工歯根)を固定します。
インプラント体は、強固な土台としての役割があります。表面は骨と結合するようにデザインさせています。
インプラント治療とは?
インプラント治療とは、歯が失われてしまった部分に人工の歯を埋入する治療のことです。人工の歯根を顎の骨の中に埋め込み、その上に人工の歯を固定します。
入れ歯やブリッジと異なり隣の歯を削って負担をかけることもありませんし、自分の歯と同じような感覚で強い力で違和感なく噛むことができるようになります。
また、下顎の総入れ歯が不安定で動いてしまう方や、上顎の総入れ歯で口蓋が無いものを使用される場合などには、インプラントによって入れ歯を固定する方法も有効です。
![インプラント治療とは?](img/implant_30.jpg)
インプラントと従来の治療方法の比較
歯を1本失った場合
歯の状態
![歯を1本失った場合](img/implant_33.jpg)
従来の治療方法 ブリッジ
失った歯の両隣の歯を削って、1本の歯の代わりとなるブリッジを使用します。
![従来の治療方法 ブリッジ](img/implant_34.jpg)
メリット
- ︎短い治療期間
デメリット
- ︎両隣の健康な歯を削る必要が出てしまう
- ︎削られた歯への咬み合わせの負担が増加
- ︎歯を失った部分の骨がやせる
インプラント
両隣の歯を削らずに治療ができます。
![インプラント](img/implant_35.jpg)
メリット
- ︎メンテナンスをきちんと行なえば、長期間にわたって、機能と見栄えを維持することができます。
- 天然歯に近い見た目
- 健康な歯を削る必要がなく、周りの歯に負担がかからない
- 顎の骨が、やせほそるのを防ぐ
- 自然に噛むことができ、食事が美味しい
- 口元を気にせず、自然に話すことができる
デメリット
- ︎保険が適用されない治療のため費用がかかる
- ︎簡単な手術が必要、治療に回数がかかる
歯を数本失った場合
歯の状態
![歯を数本失った場合](img/implant_36.jpg)
従来の治療方法 部分入れ歯
部分入れ歯は、金属などのバネを健康な歯にかけて使用します。
![従来の治療方法 部分入れ歯](img/implant_37.jpg)
メリット
- ︎短い治療期間
デメリット
- ︎バネなどが見えて、見た目が悪い
- ︎バネが健康な歯を傷つける恐れがある
- ︎違和感を感じることがある、会話がしづらい
- ︎歯を失った部分の骨がやせてくる
インプラント
インプラントは、天然歯と同じような安定性、機能性、見栄えを備えています。
![インプラント](img/implant_38.jpg)
メリット
- ︎メンテナンスをきちんと行なえば、長期間にわたって、機能と見栄えを維持することができる
- 天然歯に近い見た目
- 顎の骨が、やせほそるのを防ぐ
- 自然に噛むことができ、食事が美味しいぐ
- 口元を気にせず、自然に話すことができる
- 入れ歯と異なりしっかりと固定され、ずれなどによる不快感がない
デメリット
- ︎保険が適用されない治療で費用がかかる
- ︎比較的簡単な手術が必要、治療に回数がかかる
歯を全て失った場合
歯の状態
![歯を全て失った場合](img/implant_39.jpg)
従来の治療方法 総入れ歯
個人に合わせた総入れ歯を、歯茎全体にかぶせます。また、上あごの場合は、口蓋も覆います。
![従来の治療方法 総入れ歯](img/implant_40.jpg)
メリット
- ︎短い治療期間となります。
デメリット
- ︎入れ歯の安定が悪いとずれやすくなる
- ︎硬い物を噛むと、入れ歯が歯茎を圧迫し、痛みを感じることがある
- ︎味覚に影響する場合がある
- ︎入れ歯と歯茎の間に食べた物がはさまる場合がある
- ︎顎全体の骨がやせることがある
インプラント
インプラントを用いた入れ歯は安定感があり、お掃除のために自分自身で取り外すことも可能です。
![インプラント](img/implant_41.jpg)
メリット
- ︎メンテナンスをきちんと行なえば、長期間にわたって、機能と見栄えを維持することができる
- 天然歯に近い見た目
- 顎の骨が、やせほそるのを防ぐ
- 自然に噛むことができ、おいしく食べられます
- 口元を気にせず、自然に話すことができる
- 入れ歯と異なりしっかりと固定され、ずれなどによる不快感がない
デメリット
- ︎保険が適用されない治療のため費用がかかる
- ︎やや複雑な手術が必要、治療に回数がかかる
インプラント治療の適応症と禁忌症
インプラントはどんな方でも受けられる治療ではありません。
以下のリスクが高い場合インプラントを埋入しても炎症などを起こすやすかったりします。
適応症
- インプラントを埋入できる適切な骨量と骨質がある
- セルフケアができている方
禁忌症
- 重度の全身疾患がありインプラント手術に耐えれない人
- 骨量、骨質が著しく悪い場合
- 喫煙、セルフケアの維持が難しい人
- 定期検診に応じられない人
インプラントのメリット・デメリット
![インプラントのメリット・デメリット](img/implant_42.jpg)
インプラントをするリスク
- 合併症の可能性がある
- 定期的なメインテナンスが必要
- 解剖学的に隣接器官への損傷の可能性がある
インプラントをしないデメリット
- 骨吸収を起こし、放置すると顎位が偏位する
- 残存歯に過度な負担がかかる
- 容貌(ようぼう)が変化する
- 歯並びが悪くなり咬み合わせが崩れる
- 対合歯が伸びてくる
インプラントをするメリット
- 咀嚼機能が増進する
- 容貌が良い状態で維持できる
- 残存歯が健全に保持される
- 言動が積極的になる
- 食事の楽しさが生まれる
- 骨吸収を防ぐ
ブリッジ
![ブリッジ](img/implant_43.jpg)
- 土台となる両隣接歯を削る
- 荷重により土台の歯を失う可能性がある
- 清掃の問題により、歯肉炎・歯周炎を起こす可能性がある
- 治療期間が短い
- 生存率 10年後84%~92%、15年後64%85%
総義歯
![総義歯](img/implant_44.jpg)
- 骨吸収により義歯の固定が難しくなる
- 義歯安定剤が必要
- 味覚に影響
- 治療期間が短い
あざみの総合歯科医院のインプラント治療の特徴
![インプラント治療の特徴1](img/implant_20.jpg)
当院では40年以上の長い歴史があるスイスのストローマン社製のインプラントを使用しています。
シリアルナンバー入りのインプラントは世界でもストローマン社製しかありません。インプラント市場で世界ナンバー1のシェアを持つインプラントメーカーです。
また、当院では3000本以上の実績があり、確かな診断と経験をもとに安全な手術を行うことができます。
![インプラント治療の特徴2](img/implant_31.jpg)
口腔内・全身状況を総合的に診断し、難症例でもインプラント手術を安全・正確に行うために、術前にPCでシミュレーションするガイドシステムを採用しております。
生涯身体の一部として使用するものなので、生体適合性、耐久性、審美性を兼ね備えた最高品質の材料を選択しています。インプラントを永く健康に保つためには、術後のメインテナンスと定期的な検査が重要です。
当院では、インプラントの治療がゴールではなく、その後生涯にわたり健康維持することを目標としています。
インプラント治療の流れ
step1.診査
全身状態の診査
![全身状態の診査](img/implant_21.jpg)
口腔内の診査
欠損部の粘膜・骨の状態やリスクファクターを診査します
顎の骨の検査
![歯周病の検査](img/implant_45.jpg)
CT撮影を行い、骨の形態や神経や血管の走行を調べます
step2.治療計画
専用シミュレーションソフトで位置や種類の決定
![治療計画](img/implant_46.jpg)
専用のシミュレーションソフトでインプラントを植える位置や種類を決定します。
![治療計画](img/implant_47.jpg)
シミュレーションを行った位置にそのまま植えるためにより、安全で精密なガイデッドサージェリーを行うこともできます。
step3.コンサルテーション
患者さんに説明をする
![患者さんに説明](img/implant_48.jpg)
実際にプランしたものを患者さんに説明します。
術中のリスクや金額についても説明します。
step4.インプラント体の埋入と治癒
術前に口腔内清掃(10分程)
インプラントの埋入は1本15分程度です。
翌日創部の消毒、1週間後に縫合糸の抜糸を行います。
その後インプラントと骨の定着を待ちます。
(骨が安定している症例では3〜4週、骨造成など行った場合は6〜8週です)
![インプラント体の埋入と治癒](img/implant_23.jpg)
各ステップで専用のドリルで骨にインプラント窩を形成しインプラントを植立していきます。
step5.二次オペ、ヒーリングキャップ装着
型どりをする準備
![二次オペ、ヒーリングキャップ装着](img/implant_49.jpg)
歯肉の形態を整え、型どりする準備をします。
インプラントにキャップをかぶせ、インプラント周囲の歯肉の状態を整えます。
step6.インプラントの型とり
インプラント部分の精密な型どりをする
少数のインプラントの場合、口腔内スキャナーを使用した光学印象にて型どりします。
今までのように歯型をとる不快感を軽減できます。
![インプラントの型とり](img/implant_50.jpg)
インプラントの本数が多い場合、従来通りのシリコン材を使用した精密な型どりを行います。
step7.プロビジョナルレストレーション装着
最終的な土台と被せ物を作る
![プロビジョナルレストレーション装着](img/implant_51.jpg)
仮歯を入れて咬み合わせなど機能面や審美面に問題がないか確認します。
また型取りして製作した模型の精度に問題がないかをチェックします。
模型の精密さ、歯の機能面・審美面に問題がなければ最終的な土台と被せ物を作ります。
step8.アバットメント・セラミック冠装着
チタン製の土台とセラミック冠をつける
![アバットメント・セラミック冠装着](img/implant_52.jpg)
仮の歯を使って問題なければ、チタン製の土台とセラミック冠をつけます。
まずチタン製の土台を規定の力で締結し、その上にセラミック冠を被せます。
step9.定期検診(メインテナンス)
インプラント治療は、インプラントを入れることだけが目的ではありません。
インプラントが今後しっかり機能していくためにも、しっかりとメインテナンスしていく必要があります。
メインテナンスとは、家庭で行うセルフケアと、歯科医院で行うプロフェッショナルケアがあります。
セルフケア
歯ブラシ・歯間ブラシ・フロスを使用して口の中にプラークを残さない様にすることです。
プロフェッショナルケア
歯石や着色の除去・咬み合わせの調整などご自身でできないケアや口腔清掃指導やセルフケアの見直しなどを行います。
インプラントメインテナンスの必要性
インプラントも天然歯と同じように歯周病に罹ってしまいます。
天然歯には歯根膜という組織がありますがインプラントにはないため天然歯より進行が早いと言われています。
インプラントは天然歯以上に徹底したメンテナンスが必要となってくると言えます。
メンテナンスの間隔は患者さんのセルフケアの状態や口腔内のリスク環境によって変わります。
インプラントメンテナンスの流れについて
- レントゲン写真でインプラント周囲の骨の状態 (半年に一回 or 必要があれば)
- 噛み合わせのチェック(強く当たっている所がないかどうか)
- 歯茎に炎症が起こってないか
- プラーク(歯垢)の付着状態
メンテナンスに使用する器具
![メンテナンスに使用する器具](img/implant_53.jpg)
完全自己血由来フィブリンゲル法について
![完全自己血由来フィブリンゲル法について](img/implant_27.jpg)
当院では、インプラントや歯の抜歯時に、患者さんから採血を行い、血液中の血小板・成長因子を多く含むCGF・AFGを取り出し、骨の不足しているインプラント周囲や抜歯窩にいれる再生治療があります。
CGF・AFGの治療の利点
- 手術後の痛みや腫れが軽減し、傷の治りが通常より早くなります。
- 自家血から生成し、血液凝固剤などの添加物を一切含まないので安全です。
- 成長因子により、通常より多くの骨が造成できます。
- 今までできなかった部位にインプラントが植立できるようになります。
CGF・AFGの治療の方法
![CGF・AFGの治療の方法](img/implant_28.jpg)
血液の鮮度が必要なため、手術直前に10〜20cc程度血液を採取します。その際、人間ドッグなどで採血する器具と同程度のものを使用します。
![CGF・AFGの治療の方法2](img/implant_29.jpg)
採取した血液を専用の機械にいれてCGF・AFGを生成します。使用する直前に取り出します。
注意点
その日の体調や血管の状態により必要量採取できない場合があります。服用薬や血液の状態によってはCGF・AFGが生成されない場合があります。
人工骨や人工コラーゲン被膜と併用する場合があります。
ソケットリフト
![ソケットリフト](img/implant_17.jpg)
ソケットリフトは、インプラント体を埋入するときに、上顎の骨を少しだけ残してその骨ごと上顎洞を覆っている粘膜(シュナイダー膜)を持ち上げ、そこに骨を増やしてインプラントを同時に埋め込む方法です。
GBR
![GBR](img/implant_18.jpg)
骨が不足している部分に、膜を覆うことで骨を作るスペースを確保し、その中に、骨のもとになるものを詰めて、骨の再生を促す治療法です。
インプラントを埋め込むのに十分な骨の厚み、幅がない場合、用いられるテクニックです。
サイナスリフト
![サイナスリフト](img/implant_19.jpg)
上顎臼歯部の上には上顎洞と呼ばれる空洞があります。インプラント体の埋入には一定以上の骨の厚みが必要なので、上顎の骨が極度に薄い場合は、そのままではインプラント治療を行うことはできません。
サイナスリフトは、お口の中から鼻の空洞に窓を開け、上顎洞を覆っている粘膜(シュナイダー膜と言います)を上顎洞からはがして挙上し、それによってできたスペースに、人工骨や口腔内の別の部位から採取したご自分の骨を移植することで、インプラント体の埋入に必要なだけの骨の厚みを得る方法です。
手術と同時にインプラント体を埋入する場合と、手術後骨ができてからインプラント体を埋入する場合があります。
使用しているインプラントstraumann(ストローマン)社製について
![インプラント治療の安全性を高める【ガイデッドサージェリー】](img/straumann_01.jpg)
当院ではスイスのインプラントメーカーであるstraumann(ストローマン)社製のインプラントを使用しています。
ストローマンインプラントの高い品質と信頼性は、長期治療成績によって裏付けられています。ストローマンは、豊富なエビデンスが支える製品の提供に今後も取り組んでいきます。
生体親和性の高い純チタン(グレード4)を冷間加工することにより、機械的強度が高くなったものをインプラントに使用しています。
最新の高精度口腔内スキャナ3D impの導入
![インプラント治療の安全性を高める【ガイデッドサージェリー】](img/3D_02.jpg)
天然歯の型どりからインプラントの型どりまで、最新の技術を用いた口腔内スキャナにより、従来の型どりとは全く異なる方法で、より安全でより精密な被せ物を製作することができるようになりました。
インプラント治療の安全性を高めるガイデッドサージェリーについて
![インプラント治療の安全性を高める【ガイデッドサージェリー】](img/guided-surgery_01.jpg)
コンピュータガイデッドサージェリーとは、専用のソフトウェアを用いて、コンピュータ上でインプラント治療を計画した後、手術用のガイドを作製し、ガイドを用いてインプラント手術を行うことです。
これにより、計画通りの位置にインプラントを埋入することができ、より安全で正確な治療を行うことができます。